
天国にも地獄にも拒まれた魂
アイルランドの伝承に登場するスルアグは、どこにも居場所のない「許されざる死者」の集団です。彼らは常に西から風に乗って現れ、空を黒く染め上げる鳥の群れのような姿で描写されます。この不気味な存在は、ケルト文化における「死」と「境界」の象徴として長く語り継がれてきました。
西から吹く死の風と防御策
伝統的なアイルランドの家庭では、西風が吹く夜、特に病人がいる場合は西側の窓を閉め切るのが鉄則でした。スルアグは開いた窓から侵入し、弱った人間の魂を連れ去ってしまうと考えられていたからです。彼らの略奪から逃れるためには、鉄の道具を置くなどの知恵が必要とされていました。
現代に息づく「スローガン」
私たちが日常的に使う「スローガン」という言葉は、軍勢が上げる鬨の声(Sluagh-ghairm)に由来しています。スルアグとの直接的な関りはありませんが、ケルト地方由来(ゲール語)という点でつながっています。スルアグの叫び声がスローガンの由来だったら面白いですね。
まとめ
アイルランドの影の軍勢、スルアグについての物語はいかがでしたでしょうか。彼らの存在は、自然への畏怖と死者への複雑な感情を現代に伝えています。
・スルアグは天国にも地獄にも拒絶された「許されざる死者」の群れである。
・常に西から現れ、空いた窓から病人の魂を連れ去ると恐れられた。
・スローガンという言葉は、ゲール語で「軍勢が上げる鬨の声」
古き伝承を知ることによって、ハリーポッターのディメンターってもしかして…と見え方が変わってくるのが面白いですね。